ここでいう「おとな、成人」は満20歳を経過した方を指すのではありません。生えるべき永久歯がすべて生えそろい、全身の成長が完了した方を指します。
歯科矯正治療はお子様や若者のものという認識の方がいらっしゃいますが、決してそうではありません。理論上は歯科矯正治療に年齢制限は御座いません。確かに、代謝が活発で全身の骨格や筋肉の変化が著しい成長期のみに有効な治療内容があることは事実です。
しかし、一本一本の歯を積極的に適正な位置へ移動し、ご自身の歯並びや咬み合わせの最終理想形を目指すことが可能となる「仕上げの歯科矯正治療(Ⅱ期治療)」は、歯の生え変わりや全身の成長変化を終えているおとなや成人の方にこそ有効な治療内容です。
また、ご自身の天然の歯に勝る人工物(詰め物や被せもの、入れ歯、インプラント等)は存在しません。可能な限り、御自分の歯という臓器を末永く健康な状態で機能させ、日常生活を充実させていくことが求められます。そのためにはこれまでの虫歯や歯周病などの細菌やウイルスに対しての感染症に対する治療だけではなく、お口の中、顎、歯にかかる負担を適正化する矯正治療の重要性は、高齢者の歯の残存数の増加に伴い、以前よりも高まってきています。
加えて、治療によるお口の環境の改善に伴い、機能美を備えた上での口元の変化は、精神的なコンプレックスを解消するきっかけになり、それが歯科矯正治療の大きな魅力の一つでもあります。
さらに、歯の寿命の延長やお口に関わる病気の予防に加え、お口の周りの筋肉を活性化することによるエステ的な側面もございます。
近年、治療技術の進歩により、患者様のライフスタイルに合わせてさまざまな治療方法が選択できるようになりました。
当院では患者様とのカウンセリングを通じて、症状を確認の上、治療の意義やメリット・デメリットをお伝えした上で、患者様御本人に治療の目的や価値を明確化して頂くお手伝いを致します。また、生活環境やライフステージに合わせた様々な矯正治療の方法をご提案致します。